劣等感とはなにか?

・劣等感とは
劣等感は、精神科医・心理学者のアドラーが使い始めた言葉です。劣等感を語る上で大変重要な人物のため、まずはアドラーについて簡単にご紹介したいと思います。

アドラーは心理学の研究をする前、ウイーンで個人の診療所を開業していました。患者の多くは肉体労働者だったため、体の悩みを聞いて治療をしていました。しかし、診療を続けるうちに、人間は肉体的なハンデを抱えているときに悩むということを感じるようになりました。この“悩む”が劣等感という概念です。

しかし、この”悩む“はマイナスだけでなくプラスもあると考えました。なぜなら、肉体的なハンデを抱える人の全てが悩むわけではなく、むしろそのハンデをバネにして、人生を豊かに過ごしている人を見てきたからです。例えば、サーカスで働いている人は、身長が小さいなど肉体的なハンデを抱えているにもかかわらず、多くの人を喜ばせる事で自信に満ち溢れていたからです。

その後アドラーは、フロイトと会うことで、精神分析の手法を学び、劣等感の研究を進めたと言われています。



・「劣等感」と「劣等コンプレックス」の違い
劣等感を詳しく分析するうちに、劣等感そのものは、心理学的に問題は無いと言う事が分かりました。ここで「劣性」「劣等感」「劣等コンプレックス」この3つの言葉で、詳しく説明していきます。

「劣性」とは、他人よりも劣っているとされる能力の事です。例えば、私は50メートルを7秒ぐらいで走りますが、陸上選手やオリンピック選手と比べると「劣性」となります。この事を「劣っているな」と感じたらそれは「劣等感」となります。私は走る事に「劣等感」を持っていますが「劣等感」を持っていても悩まないため、心理学的には問題はありません。

誰でも、劣っていても悩まないことはたくさんあります。例えば、私は年収に執着がありません。いくら稼いでいるかよりも、自分が好きな仕事をしているか、社会に役立っているかが大事だと考えているからです。そのため、私は自分よりも稼いでいる人を見てもそれが悩みになることはありません。しかし、心理学の世界で自分よりも勉強している人を見ると「ああ・・・もっと勉強しなきゃ!」と感じて悩みになってきます。劣等感だけでなく、それに悩みが加わった場合「劣等コンプレックス」として心理学的に取り扱うべき対象になるのです。

心理学の世界にいるとびっくりするような事に対して「劣等コンプレックス」を抱える人がいます。例えば、私からみれば綺麗なお肌をしている女性が、私はモデルに比べて肌が汚いと本気で悩んだり、慶応や早稲田に通って十分学歴が高いのに、東大生に対して「劣等コンプレックス」を持っていたり・・・。本当に様々な形の「劣等コンプレックス」があるのです。



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参考サイト:「コミュニケーション能力知恵袋(劣等感コラム)」